オンリーワン 村下孝蔵
村下さんの後ろ姿。それは村下さんを後方支援するバンドマンや、村下さんのステージを支えるスタッフの視線ですが、私は、村下さんの背中と観客を見渡せる位置にいたこの方たちの立場になってみることを思い立ちました。
私自身は楽器をやらないため、村下さんの作品を演奏することができませんが、実際に演奏する方からお聞きしたところ、演奏は難しいそうです。たとえば歌も、口先で唄えるようなものは少なく、おなかからしっかりと声を出さないとかすれてしまうため、かなりカロリーを使います。(演奏できない私はカラオケで歌うこと多し)つまり村下さんは、簡単には実演できない歌曲を創っていたことになります。でも何故?
村下さんは今風でいえば“オンリーワン”をめざしていたのではないか、と思っています。
自分にしかできないこと、自分たちにしか表現できないこと、それが村下ワールドだったのではないか、と思います。あくまでも外部から見た個人的な憶測ですが。
「同窓会」が出された時、それはもう一度仲間を集めようとして始めたアルバムだった、ということを、須藤プロデューサーが歌詞カードのなかで記していました。
どんなに電子楽器が進化しても、村下さんの伝えたい世界には、人としての感性がとても重要だということを感じます。人の心のひだをひたひたと満たす郷愁や共感性。「悲しいのは君だけじゃないよ。」それは機械には表現しにくい“オンリーワン”の世界なのだと思います。
浮き沈みの激しい業界の中で、自分の信念を通して活動するということは、大変なことだったのではないでしょうか。村下さんは温厚な性格だったのではないかと思いますが、演奏し始めたら頼りがいのある兄貴、でもいざ歌いはじめたら、そのナイーブな内面は、満身創痍の恋の兵士に見えたのではないでしょうか。
作品のなかで、気まぐれな彼女との別れを描いたものがありますが、その彼女とは、本当は業界のことを比喩したものではないか、とふと思いました。
村下さんが亡くなられてから早7年。表面には出ていませんでしたが、村下さんには、コアなファンがたくさんいたのだということを気付かされます。
まもなく命日を迎えます。あの日から年をとらない村下さん。少しの間だけ、同い年ですね。 合掌
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コメント
ゆうさん、見てますか?
村下さんはいつまでも私の恋の師匠さんです。
投稿: すずらん | 2006年6月21日 (水) 21時00分